コロナウイルス後遺症外来

2021年5月13日(木)から、総合診療科外来においてコロナウイルス後遺症外来を開設いたしました。
新型コロナウイルス感染後に様々な症状が残るいわゆる後遺症は、感染者の7割、軽症者でも3割に及ぶという調査報告がなされました。これからは急性期のみならず、後遺症で悩む患者さんへの対応もしなければなりません。後遺症には、倦怠感や呼吸困難感、咳や味覚嗅覚障害、不安感、脱毛、記憶力の低下などといった症状がありますが、その原因や治療法について詳しいことはわからないことが多く、医療機関における対応も困難かと思われます。
私が所属する聖マリアンナ医科大学病院では総合診療内科を中心として新型コロナウイルス感染症外来を2021年1月18日から開始しております。4月16日現在、全国から約100名の患者さんが来院されており、少しずつ後遺症に対する知見が集まってきております。
外来では医療面接、診察、症状に応じた検査(血液検査、呼吸機能検査や心電図などの生理学的検査、画像検査など)を行います。基本的には当科で対応しますが、症状に応じて関係する診療科へ診療依頼を行います。味覚嗅覚障害が強い場合には耳鼻咽喉科、肺障害があるようであれば呼吸器内科、精神的なサポートが必要な場合には専門看護師や心療内科と連携してまいります。また、金銭面などの社会的な不安が大きい場合には、ソーシャルワーカーも介入し対応いたします。
対象となる方は新型コロナウイルス感染症の診断より2か月が経過して上記の後遺症が残り苦しんでおられる患者さんです。毎週木曜日の午後完全予約制となり紹介状が必須となります。地域医療支援室を通じて予約をお願いいたします。
総合診療科 土田知也