臨床検査科
検査室では、『臨床検査技師』の国家資格持った専門スタッフが検査を行っています。
血液や尿などを検査することで、治療の必要の有無や、治療効果の判定に役立っています。
「迅速に正確なデータを提供する」を目標として、地域の皆様の健康、生命を守るため日々研鑽に励んでいます。
検体検査
検体検査は、主に血液や尿などを採取して検査します。
【生化学検査】
私達の体には様々な臓器があり、それぞれに重要な働きをしています。
しかし何らかの原因で障害が起こると、臓器からはそれぞれの細胞特有の物質が血液中に漏れ出してきます。生化学検査では血液や尿に含まれるそれらの物質の量を測定します。
この結果から体のおおよその状態を知ることができ、病気の発見・診断や治療効果の判定の役に立ちます。主に体内の化学工場であると称される肝臓、体内の老廃物を捨てる働きをもつ腎臓の機能を知ることができます。
蒲原病院検査室では約30項目が随時測定可能で、よく知られた項目ではコレステロールやグルコース(血糖)などがあります。
【血球算定検査】
貧血や炎症などの目安となる赤血球数・白血球数・血小板数等を自動で計測しています。
それらは病気によってその数や形態が変化するため、測定器や顕微鏡を用いて形態異常や異常細胞の有無を観察します。
【凝固検査】
血液中には、出血を止める働きを持つ成分と、血管の中で固まってしまわない様に働く成分が含まれています。これらの成分の働きを検査しています。
【血清検査】
血清検査は感染症や腫瘍マーカーなどの測定を行います。腫瘍マーカーとは、ガンの細胞が作る物質のことです。正常ではほとんど無いものですが、ガンが体内にできると血液中などに出現します。腫瘍マーカーを測定することで、体内のどの部分にどのくらいのガン細胞があるのか、おおよその推測ができます。
【一般検査(尿・便など)】
尿中のタンパクや糖などの測定や、顕微鏡を使用して細胞などを調べます。尿を調べると腎臓、膀胱、肝臓の病気まで見つけることができます。また、消化管内の出血の有無を調べる便潜血検査などを行います。
【病理組織検査】
手術で摘出された臓器や内視鏡などで採取した組織の細胞を調べる検査です。検査によって、病変が悪性か良性か、さらに病変の種類や、進行度が分かります。後の治療方針決定に役立つ情報を提供します。
【細胞診検査】
いろいろな検査材料(腹水・胸水・尿・喀痰など)で異型(悪性)細胞の有無を確認する検査です。その他に炎症の発見など治療に役立つ情報を提供します。
生理検査
生理検査は、患者様から直接情報を得る検査で、多くは患者様の協力が不可欠となります。身近なものでは血圧や視力・聴力といった検査がありますが、検査室では心電図、肺機能測定、超音波検査、脳波、神経伝導速度、API(足首関節・上腕血圧比)などを行っています。
【超音波検査】
超音波検査はエコー検査とも言われ、人の耳では聞こえない高い周波数の音波を使った検査です。胎児の検査にも利用されるように体には害がないと言われています。
主に心臓、腹部(肝臓・腎臓・胆嚢・脾臓・膵臓)、体表(乳腺・甲状腺)、血管(頚動脈・下肢動静脈・大動脈)等、内部にガス(空気)のない臓器を検査します。また腹痛(虫垂炎・尿路結石)等急性腹症の検査も行います。
【心電図検査】
心電図は心臓の不整脈や虚血の有無を見る検査です。
通常は安静状態で10秒間の心電図を記録しますが、症状によって運動後や24時間の心電図を記録することもあります。検査は2~3分で終了します。
【呼吸機能検査】
呼吸機能は肺活量等呼吸で使う肺の状態を見る検査です。
喘息や喫煙による肺疾患の診断や治療などのために行います。
当院では肺活量と努力性肺活量の2種類の検査を行っています。
検査時間は5分~10分位です。
【API検査(下肢/上肢血圧比)】
PWV(脈波伝播速度)とABI(上腕と足首の血圧比)を測り、血管の硬さ・詰まり具合・血管年齢を見る検査です。
動脈硬化の診断のために検査が行われます。APIは両手・両足の血圧を測定します。
検査時間は5分~10分位です。
【脳波検査】
脳波検査はてんかん・意識障害・けいれん・頭を打ったときなどに検査を行います。
脳波記録は防音電波シールド室で行います。検査時間は1時間程です。
【神経伝導速度】
神経伝導速度検査とは末梢神経(主に手・足)の刺激が伝わる速度を測定する検査のことです。しびれや麻痺などの症状がある場合に異常と思われる神経を検査します。